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私は、当時(28才ぐらいであったとおもいます)の研究テーマで磁気媒体の記録に関する研究をしておりました。
記録された信号のS/N(信号対ノイズ)比を測定しておりました。ノイズ測定にはあまり良い方法が無いなという
漠然としたものがありました。
ご存知の方も多いと思いますが、ノイズは一般にランダムであり、指数関数の分布をしております。
その波形を
見ようということで、シンクロスコープで信号を拡大してノイズ信号を見ておりました。シンクロ
スコープのブラウン
管には信号が水平になって、その周りにボワーっとノイズが広がっています。ノイズが
大きい場合にはそのボワ
ーが信号に対して垂直方向に大きく広がってくるのです。
ここまでは、ごくあたりまえのことです。私は、実験室で一人じっとその信号を見つめていました。確かに、
後から
思えば、一人静かに何かに(この場合は、ノイズ測定)夢中で考えようとしておりました。(この辺の
過程は上の①
から②です)
シンクロスコープの調整ダイヤルを動かしては、信号を上下に動かしたりしておりました。ふと、面白半分
といって
は何ですが、同じ信号を同軸ケーブルを分岐してもう一つの入力に入れ(通常、シンクロスコープ
は複数の信号
を同時に見れるように入力の口が複数あります)、同時に見てこれをまた、上下に動かして
みておりました。
もう一つの信号も同様に、信号を中心に垂直方向にボワーっと広がっているのです。なんのことはありま
せん。
が・・・、そのとき、“ふと気が付いた”のです・・・。(これが発見の現場!)
垂直方向にボワーっと広がっている二つのノイズ信号を接近させると、ふたつの間の信号の輝度は寄せ集
められ
ることによって、輝度が重なり合うわけです。当然のことといえば当然ですが、でも、ここに大きな
発見があったの
です。重なり合うと今までは指数関数的な信号は足し算されて輝度が均一になるところが
あることに気づいたの
です。

図がうまくかけませんが、上の図では左が一つ一つの信号を中心として縦軸に輝度を示したもので指数関数で
ノイズが広がっているイメージを表しております。右はこれが重なり合って山と山の間で輝度の和が
平坦になる
瞬間を示したものです。この平坦になる部分は二つの信号を離して見るとくぼみが生じ気とは
平坦にならなくな
ります(図の下左の場合)。また、寄せすぎると(図の下右の場合)、今度は山が生じてくる
ことになることが容易
に想像できると思います。
このことに気づいたときには非常に驚きました。感動といっても良いでしょう。世界で、私一人しかこのこと
に気づ
いていないのではないかと思いました。静かな実験室で、私は多分声をあげて喜んだと思います。
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